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サイクル ロードレース コラム 2025年6月6日

ポガチャル、ヴィンゲゴー、エヴェネプールがドーフィネに集結!昨ツールの表彰台トップ3が7月決戦を前に重要な前哨戦に挑む。|クリテリウム・デュ・ドーフィネ 2025:プレビュー

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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フランスの美しい景色を舞台に戦いを繰り広げる

6月8日から15日まで、8日間の日程で開催される2025年のクリテリウム・デュ・ドーフィネ。1947年に初開催、フランス南部の新聞社「ル・ドーフィネ・リベレ」の発行部数増加を目的に大会が創設された。社名と同じ「ドーフィネ・リベレ」として親しまれてきた大会は、ツール・ド・フランスを主催するA.S.O.が2010年から運営を引き継ぎ、現在の大会名とシステムに落ち着いている。

今回は何といっても、昨年のツールトップ3のドーフィネ集結が大きなトピック。ツールの覇権を奪取し、今年も春のクラシックを席巻したタデイ・ポガチャルUAEチームエミレーツ・XRG)。2年ぶりのツール制覇を目指し調整を続けるヨナス・ヴィンゲゴーチーム ヴィスマ・リースアバイク)。パリ五輪のロードレース・個人タイムトライアル2冠で、現在の個人タイムトライアル世界王者であるレムコ・エヴェネプールスーダル・クイックステップ)。この3人がそろってドーフィネに乗り込む。今大会制覇はもちろん、その先にはツールを見据える。

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「平坦な道は1メートルも存在しない」第7ステージ

今回のステージ構成は、7つのロードレースステージに、1つの個人タイムトライアルを加えた、全行程1199.6km。

今年も全8ステージで優勝の座を競い合う

後半に7つの4級山岳が連続する第1ステージ(195.8km)で、まずは脚試し。第2(204.6km)・第3ステージ(207.2km)はスプリンターと逃げを狙う選手との駆け引きに注目。

総合争いが本格化するのは、第4ステージからか。17.4kmの個人タイムトライアルは、総合系ライダーの間に大なり小なりタイム差が生まれることとなる。続く第5ステージ(183km)は、スプリンターや逃げ屋にとっては実質最後のチャンスデーに。

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    優勝者を予想する「サイクル誰クル?」のほか、メンバー同士が好きなテーマで話せる「トークルーム」、投稿された写真の中から辻啓氏が毎月優秀作品を数点セレクトする「写真部」、飯島誠氏によるオンラインライドイベントを開催する「宅トレ部」などコンテンツが盛りだくさん。

大会終盤の3日間に、本格的な山岳ステージが詰め込まれた。第6ステージは126.7kmと短距離ながら、5つのカテゴリー山岳を登坂。後半に入って上る1級山岳コート・ド・モン=サクソンヌウー、少しばかりの平坦路と経て迎えるコート・ド・ドマンシーとコート・ド・ラ・クリーの2級山岳連続登坂で、総合争いの有資格者を決める。

今大会の最難関は、第7ステージ。レース距離131.6kmのうち、半分以上の63.5kmが上り。しかも、3つのカテゴリー山岳はすべて超級だ。スタートと同時にマドレーヌ峠へ飛び込み、約20kmの下りをこなしたらすぐにクロワ・ド・フェール峠へ。長くテクニカルな下りをこなし、最後にそびえるのはヴァルマニエ1800。スタートからフィニッシュまで、「平坦な道は1メートルも存在しない」との評まであるルートは、まぎれもなく今回のクイーンステージ。

ドーフィネの険しい山岳を駆け上る選手たち

第7ステージである程度の形勢は見えるかもしれないが、続く第8ステージ(133.3km)を走り終えるまで一寸の気の緩みは許されない。ほぼ中間地点に位置する1級山岳ボーヌ峠をきっかけに山岳地帯に入ると、3級・2級の連続登坂。そして最終決戦の場、1級山岳モン・スニ峠へ。9.6kmの上りをこなし、さらに5km先のフィニッシュラインを通過したときに、今年のドーフィネ勝者が決定する。

地元で選手人生を終えるバルデの雄姿にも注目

大会には18のUCIワールドチームに加え、同プロチームからイスラエル・プレミアテック、トタルエネルジー、チューダープロサイクリングチーム、ウノ・エックスモビリティが出場。22チームがスタートラインに就く。また、ロマン・バルデチーム ピクニック・ポストNL)は、これがロードキャリア最後のレース。第3ステージでは、故郷ブリウドを出発。長きキャリアを盛大に祝福する。

ツールの前哨戦として重要なレースであるドーフィネだが、同一シーズンに両レースを勝ったのは歴史上11人しか存在しない。直近では、2023年のヴィンゲゴーが達成。ツールに向けた各選手・チームの状態を計る絶好の機会ではあるが、この大会での走りやリザルトが必ずしもツール本番にすべて反映されるわけではないあたりは、押さえておきたいところ。それこそが、サイクルロードレースの難しさであり、おもしろさでもあるのだ。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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